【プレイヤー】
わかりました、エル。
幽霊…いや、ゼナは少し残念がっていますが……。
エル
ひっ…そ、そこにいるのですね?
わ、私は大丈夫ですから【プレイヤー】さんと話してください。
ゼナ
ふふ、ありがとうございます。
では冒険者様。
お話を始めてもよろしいですか?
ゼナ
私は長い間、ここでこうして私のことが見える方のことを待っていました。
ゼナ
正確にいつ頃からなのかは覚えていません。
400年と…何年が経ったのでしょうか?
ゼナ
大陸で大きな戦争が起きたと聞きました。
いえ、自然とわかった…という方が正しいですね。
ゼナ
デイモス教団が大陸の覇権を掌握するために起こした戦争…その戦争の足掛かりを準備するため、デイモス教団は私達の領地を襲撃しました。
ゼナ
ハウル王国とジスク領地は教団の襲撃に勇敢に立ち向かいました。
ですが、崩れるのは一瞬でした。
ゼナ
狂信者達は生けるものの全ての命を奪おうとしました。
私とお兄様はなんとか逃げようとしたのですが……。
ゼナ
ホワイトコール峡谷の出口まであと少し、という所で…。
ゼナ
私はこんな姿になってしまいましたが、お兄様が生きていてよかった。
そして、お兄様は皆のために懸命に……。
【プレイヤー】
ジスカド様はあなたのことを知らないんですか?
ゼナ
…この間、ここの入り口の封印が解かれ、この近くまで来たようなのですが……幽霊の存在にまでは気付かなかったようですね。
ゼナ
お兄様はこの中には入れませんし、私もこの場所から動けないのです。
ゼナ
私を見ることができるのは、冒険者様だけのようです。
狂信者達が北側から来た時も、私の前を通り過ぎるだけでした。
【プレイヤー】
狂信者達がどうしているのかと思ったら、ここへの入り口はホワイトコール峡谷だけじゃなかったんですね。
デイモス暗黒城国の方か。
ゼナ
ええ、その通りですわ。
どうして私がこの場所で、この姿で目覚めたのかはよくわからないのです。
生きているときの記憶を持ったまま…。
ゼナ
そして領地から離れることもできません。
きっと、何か理由があると思うのですが…どう思われますか?
【プレイヤー】
そうですね…まずはジスカド様に話す必要がありそうですね。
もしかしたら、理由がわかるかもしれない。
【プレイヤー】
(ここから離れられないのか…メヌエットに会った時と同じだな。)
【プレイヤー】
ジスカド様はここからそう遠くない場所にいるみたいですので、すぐに行ってきます。
【プレイヤー】
心配しないでください。ゼナのお兄さんですよね?
私にだけゼナが見えるのも、きっと偶然ではないと思います。
ゼナ
ジスク領地に咲く花を一輪、お兄様に届けていただけませんか?
可愛らしい、白い菊です。
【プレイヤー】
いいですよ、では行ってきます。
エル、少しここで待っててください。
エル
!!??
え!?は、えっ!?
待ってください、一人にしないで……。
ゼナ
ウフフ…そこまで怖がらないでください。
そうだ!
楽しい歌でも歌ってさしあげましょうか…?