シナリオクエスト

夢と欲望

プラチナ
はぁ…ここに入る方法はないのかしら?
プラチナ
……。
プラチナ
(あそこから強い力が近づくのを感じる…アウルム先輩?それとも…)
【プレイヤー】
プラチナさん、どうしてここに一人でいるんですか?
プラチナ
…よく来たわね。ここまで来たってことは、デイナ総長に会ったのね。アウルム先輩には会った?
【プレイヤー】
はい、陛下の勅書をもらって…
【プレイヤー】
(プラチナにエスニルでのこと、アウルムと会った状況を簡単に説明する。)
【プレイヤー】
それでここの状況はどうなってますか?
プラチナ
連合軍がモス王国の拠点を落としてからは、いろんな勢力や村が投降して来たわ。
モス王国との戦いももうすぐ終わりね。
プラチナ
けど…王子は最後まで抵抗するみたい。
お付きの騎士や魔法使い達に魔石を与えて、最後の戦いに挑むつもりよ。
【プレイヤー】
やっぱりあの不吉な魔石の気配は…
プラチナ
ええ…とんでもない量の魔石を使ったみたいね。
王子達が拠点にしているのは…あそこ、魔力シェルターと呼ばれている場所よ。
プラチナ
元々は戦争に巻き込まれないよう村人が隠れ住むための場所だったらしいんだけど、
今は王子とその兵士達がそこで戦いの準備をしている…
【プレイヤー】
王子が…
プラチナ
ええ。モス王国のノックス王子…彼はヴァンとマーラを利用して大陸の支配者になろうとしていたの。
けど、それも思い通りに行かなくなって…ついには父親であるボイド国王を引退させて実験を握った…
プラチナ
連合軍がボイド国王を捕まえて降伏を進めた時にはもう遅かったわ…
モス王国は、王子と共に最後まで抵抗するつもりね。
プラチナ
そして…シェルターから出てきた一人の魔法使いによって、連合軍の半分が倒されたわ。
しかも、ボイド国王までも殺害された。
プラチナ
彼らの使用する魔石の力は恐ろしいものよ。
数十…いえ、数百の魔石の力を得ている…並みの兵士じゃ歯がたたないわ。
【プレイヤー】
…ふぅ、頭が痛いですね。
プラチナ
【プレイヤー】様もタルタロスでランダインという人を倒したのよね?
魔石に浸食されたランダインと違って、ノックス王子は今も正気を保っているみたい。
プラチナ
…せめて、私が中に入れれば戦えるのに…
【プレイヤー】
どういうことですか?プラチナさんは入れないんですか?
プラチナ
結界が張られているのよ。
連合軍の魔法使い達が解こうと頑張ったけど…無理だったの。
プラチナ
恐らく陛下が【プレイヤー】様をよこしたのもそういう理由ね。
…お願い。私達に代わって、ノックス王子を倒してきて…!
プラチナ
きっと、あなたなら結界も突破できるし、魔石の力を得た彼らとも戦えるはずだわ。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
…最初からそれを教えてくれれば…
陛下はいったい何を考えているんですか?
【プレイヤー】
私だけじゃない…ここで戦っている誰もが、
陛下の手のひらで踊る駒でしかないんじゃないですか?
プラチナ
……。
【プレイヤー】
すみません…プラチナさんを責めているわけじゃなくて…
…いつか、陛下に直接会って聞いてみることにします。
【プレイヤー】
陛下にも…イリスにも…
私には知らないことが多すぎる…。
プラチナ
……。
【プレイヤー】
それじゃあ行ってきますね。大丈夫です。
これも陛下が「視た」未来の通りなら、きっと私は勝てるんでしょうし。

ノックス王子
俺自ら精鋭騎士や魔法使いを送ったというのに、よもやこうして俺の前に立つとはな。
良い腕をしているようだな、褒めてやろう。貴様、名は何という?
【プレイヤー】
知りたいのか?
ノックス王子
…無礼者め、言葉使いがなっていないな。
目の前に立つ者が誰か理解していないのか?
俺は…
【プレイヤー】
ただの悪党だろう。無礼?なら、お前に礼はあるというのか?
お前のせいで、いろんな人が血を流したんだ…お前こそ、それが理解できていないのか!
ノックス王子
フン。それも大義のための犠牲だ。その者共も誉れだろう。
俺の意思は、この地を超えてプレイオスに刻まれる。
ノックス王子
俺の名は歴史に記され、永遠に語り継がれることとなるだろう。
その礎となれたのだ。感謝されこそすれ、責められるいわれはないな。
【プレイヤー】
…生まれた時から与えられていた王子という地位に、魔石を利用した力で…か?
勘違いするな!借り物の力で成し遂げた偉業なんて、誰にも認められはしない。
【プレイヤー】
お前自身の力なんて、せいぜい魔石に支配されなかったことくらいだろう。それだけは褒めてやる。
ノックス王子
ハッ。笑わせてくれる。たかが魔石如きに支配されるなど、それはその者が弱者であることの証明に過ぎん。
俺は、大陸全てを支配する者!支配されることなど万に一つもありえん!
【プレイヤー】
笑っていられるのも今のうちだ。そうだな…それじゃあ一つだけ約束をしてやる。
【プレイヤー】
私がお前を倒したら、名前を名乗ろう。誰に倒されたかくらいは知りたいだろうからな。
もしも私が負けたら…その時は無礼を詫びることにするよ。
ノックス王子
戯言を。俺も、モス王国も…このまま滅んでなるものか!
【プレイヤー】
なら、試してみるか?
…まぁ、どうせ結末はもう…決まり切っているんだろうけど。

ノックス王子
くうっ…
(ノックス王子の胸から不吉な力を放つ魔石がバラバラになってこぼれ落ちる。)
ノックス王子
この魔石も、俺の夢を叶える力にはならなかったか…
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
どいつもこいつも、どうしてみんなこんな力に執着するんだ?
【プレイヤー】
これもあの人の視た通り、決まっていたことなのか?
どうせ私が勝つ運命なら…どうしてこんなに苦労しなきゃいけないんだ…。
ノックス王子
…貴様は、何を知っているというのだ。
【プレイヤー】
私は知らない。知りたくもない…。
ああ、そういえば約束だったな…。それくらいなら教えられる。それなら、知ってる。
私の名前は【プレイヤー】…
ノックス王子
ゴホッゴホッ、ゴホッゴホッ…ああ、聞いたことある。ヴァンとマーラの邪魔をして、ジュード王国を救った神の使い…
ノックス王子
何故貴様は俺の前に立ちふさがる?
【プレイヤー】
(武器を持った手に力が入る。まるで、目の前の人間を、ノックス王子を殺そうとするかのように…)
ノックス王子
俺を殺すのか…?
【プレイヤー】
ああ、お前を殺す…
【プレイヤー】
ころ、す…?
【プレイヤー】
違う…私はお前を殺すつもりなんてない。
ただ捕まえて後は連合軍に任せるつもりだった。な、何かがおかしい…?
ノックス王子
……。
ノックス王子
くはははは、ゴホッゴホッ…お前も、やはりそうなのか、はははは!
ああ、神の使いとはよく言ったものだ!所詮は操り人形!借り物の力はお互い様というわけだ!
ノックス王子
知っているか?これまで、神の力を授った者達の最期を。貴様もやがて同じように自滅するのさ。
「魔女達の夜」が許すわけがない…!せいぜい、地獄の底から貴様を呪ってやるさ…女神の守護者!
ノックス王子
くはははは…くっ、くくくくっ…ああああああっ!がぁあああああああ!!
【プレイヤー】
…!
(ノックス王子が急に苦しみながら倒れる。魔石の副作用により腕や足の先から粉へと変わり始める。)
【プレイヤー】
これが…この人の最期…あれ…連合軍?
(連合軍の魔法使い達が急いで治癒魔法でノックス王子の消滅を止める。そしてノックス王子を捕縛して連れて行く。)
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
敵を倒す運命だった…それだけなのか…?
【プレイヤー】
ふぅ、とりあえずプラチナさんのところに戻ろう…
(ノックス王子との激戦が終わった後、誰もいなかった空間後ろからゆっくり誰かが歩いて来る。)
ヴァン
クソ…ノックスも奴を始末できなかったか。これでモス王国も終わりか…
マーラ
……。
ヴァン
何をそんなにぼうっとしている?
マーラ
い、いえ…ところでまだ魔石は残ってる?あれがないと、この後の計画が変わっちゃうけど…
ヴァン
この間設置した装置が発動した。まずはそこで時を待つ。向かうぞ、オネイロに…
マーラ
あそこの守護者はどうなってるの?
ヴァン
予定通りなら既に違う姿になっているはずだ。
そしてそこに奴が入れば今度こそすべてが終わる。
ヴァン
ここでの仕事を終えてプレイオスに戻る。そして、シルバリア帝国の奴らを再び殺してやるのさ。
マーラ
…このまま、こんなことをしていていいのかな…?
ヴァン
黙れ。シルバリア帝国の奴ら受けた屈辱を思い出せ。このまま終われるわけがない…!
マーラ
……。
ヴァン
ついて来い。あそこで奴の命運が尽きるのを見てやろうじゃないか。
マーラ
……。