シナリオクエスト

当然の疑い

(エスニルと呼ばれるギルド連合都市の中心街を歩いていると、ギルド連合本部の建物と思われる塔の前に気品溢れる女性が立っていた。)
(女性は書類と思われる資料を確認してため息を吐いた。)
???
ふぅ、少し席を外している間にまた面倒なことになったわね…
まったく…よくもまぁこれだけの仕事を持ってきてくれるものだわ…。
本当に優秀な姉を持てて嬉しくて泣きそうよ…。
【プレイヤー】
あの、デイナ総長ですか?
???
うん?
【プレイヤー】
あ、レナハイレンさんから聞いて来ました。
???
ああ、あなたが。待っていたわ。女神の仕事をしているのよね?名前が…【プレイヤー】、合ってる?
デイナ
挨拶が遅れたわね。あたしの名前はデイナ。
ギルド連合の総責任者である「総長」であり暴風の監視者のギルドマスターよ。
【プレイヤー】
暴風の監視者ってアインストさんの…
デイナ
ええ、そうよ。あなたの話は聞いているわ。
いろいろと助けられたみたいね、本当にありがとう。
【プレイヤー】
いえ…そんなに気にしないでください。それより、総長に聞きたいことが…
デイナ
あ、ちょっと待って。あたしのことは総長じゃなくて、名前で呼んでもらえる?
そういう固いの苦手なのよね。
【プレイヤー】
それじゃあ、デイナ総長…いえ、デイナさん。
デイナ
よろしい。それじゃああたしも【プレイヤー】って呼ぶわね。いいかしら?
【プレイヤー】
はい、お願いします。それで…
【プレイヤー】
レナハイレンさんに、デイナさんに会いに行けと言われたのですが…
これからどうすればいいでしょうか?
デイナ
まぁ…確かに陛下の許可も得たから、エスニルに入る許可もあるんだけど…。
デイナ
さて、どうしようかしら…。
【プレイヤー】
…私のことがまだ信用できないということですか?
デイナ
まぁ、そういうことね。初対面の相手はまず疑うところから始めるってのがあたしの流儀よ。
デイナ
悪く思わないでちょうだいね。
【プレイヤー】
いえ、そう考えるのも当然だと思います。
私もデイナさんがどんな人なのかまだわかりませんから。
デイナ
ふふ、ありがとね。
それじゃあまずはあたしから、あなたが信用できるか試させてもらうわ。
デイナ
その方法は…そうね。
(デイナがジャケットの中から黒いカードを一枚取り出した。)
デイナ
あたしがサインしたこのカードに、あなたが無限回廊の力を借りて魔力を認証すれば…
デイナ
ギルド連合都市エスニルを含む、帝国の全てへの入場が許可されるわ。
デイナ
シルバリア帝国の皇帝カイナの名の下にそれが認められる。
【プレイヤー】
……。
デイナ
“あたし達”に実力を見せてちょうだい。
そうしたらあなたを信用して、このカードをプレゼントするわ。
【プレイヤー】
あたし、達…?
デイナ
ええ、あたし達。“月光”に。詳しいことはまだ気にしなくていいわ。
デイナ
ラクレットに頼んでいる任務があるの。それに協力してあげて。
そこでラクレットが見たことを、あたしに報告することになっているわ。
【プレイヤー】
難しい任務ですか?
デイナ
どうかしら?難しいと言えば難しいけど、簡単と言えば簡単なことよ。さあ、ラクレット。
ラクレット
…………。
デイナ
顔が怖いわよ。
ラクレット
…いつも通りです。
デイナ
ああ、ごめん。何年見ても慣れない顔ね。
ラクレット
それじゃあ、例のアレを持って来ればいいんですね?
【プレイヤー】
(例のアレ?)
デイナ
一人じゃ厳しいと思うから、【プレイヤー】を連れていって。
あそこはまだまだ死者の気配が残ってるからね。
ラクレット
わかりました。それじゃあ行きましょうか。
【プレイヤー】
ええと、どこに行くんですか?
ラクレット
まずミルガンティアですね。
【プレイヤー】
ミルガンティアに…?
ラクレット
普段のミルガンディアには行ったことがあるのかもしれませんが…
俺と行く時はちょっと違うかもしれませんよ。
さぁ、行きましょう。
【プレイヤー】
はい……。
【プレイヤー】
(普段とは違う…どういう意味だろう…?)