シナリオクエスト

亀裂の痕跡(5)

サラスヴァティ
戻られましたね。
【プレイヤー】
はい、頼まれた物を持ってきました。
サラスヴァティ
すぐ分析を行います。ところで……
【プレイヤー】
どうしました?
何か問題でもありますか?
サラスヴァティ
分析中にエラーが発生しました。
この時空の物質とは構成が異なるようです。別の方法の検討が必要ですね。
【プレイヤー】
他の方法…うーん。
他の物質でも集めてきましょうか?
サラスヴァティ
いえ、その必要はありません。
サラスヴァティ
(サラスヴァティの前にあった青色のホログラムキーボードが消え、赤色のホログラムキーボードが現れる。)
サラスヴァティ
既存ネットワークモードでは未使用だった、新たなプロトコルを解放します。マントラ……。
サラスヴァティ
……。
サラスヴァティ
(サラスヴァティがスクリーンを見ながら手を動かす。)
サラスヴァティ
分析が完了しました。
持って来ていただいた物質は分析過程で消滅しましたが。
【プレイヤー】
説明…していただけますか?
サラスヴァティ
はい、説明いたします。
持って来ていただいた物質は、全て魔界のオーラの影響を受けていました。
サラスヴァティ
奈落の火花は、魔界と奈落の間の遮断後に出現したと思われます。また、ウィンディシードの結界を破壊したのは外部の力でした。
サラスヴァティ
誰かが時空の亀裂を利用して、魔界の力の一部を使用したようです。
【プレイヤー】様、これに該当する行動をした人物を知っていますか?
【プレイヤー】
(思い浮かぶ人はいるけど、確実ではないから……。)
【プレイヤー】
うーん……ちょっと。
サラスヴァティは超時空ネットワークの全てを掌握しているんでしょう?あなたが見つけることはできないんですか?
サラスヴァティ
そうですね……どう説明すればいいでしょうか……。
サラスヴァティ
【プレイヤー】様は、この星が辿った運命を時系列で理解されています。始まりは別の姿の彼女に出会った都市でした。
サラスヴァティ
詳細を話すことはできませんが、アスガルドの科学力では説明できない時空もあります。例えば、魔界のような場所……
サラスヴァティ
【プレイヤー】様の登場も、我々からすると未知の変数でした。
ここを狙っている他の誰かにとっても……。
サラスヴァティ
【プレイヤー】様が様々な事件を解決するたびに、超時空ネットワークは些細なエラーを起こしました。
サラスヴァティ
ですが、新たなプロトコルを解放することでデータを更新し、エラーを最小化していました。【プレイヤー】様に該当する部分のみですが……。
【プレイヤー】
難しいですね。
サラスヴァティ
確実に言えるのは、【プレイヤー】様によって、この星の未来が良い方向に向かっている、ということです。
フレイヤの映像
やっほい、サラスヴァティ!も~、姉ちゃんにもそういうこと言ってよ!ホラ、褒めてほめて☆
ね、サラスヴァティ!サラ…!
サラスヴァティ
(サラスヴァティがおでこにしわを寄せると、フレイヤの映像が消えた。)
サラスヴァティ
騒がしい姉さんはお断りです。仕事の邪魔でしかありません。
……遮断完了。
【プレイヤー】
…本当に久々の登場なのに遮断されるなんて……なんか可哀想……。
サラスヴァティ
大丈夫です、姉さんはすぐに遮断を解除してきますから。
それよりも、漂流都市で発生していた問題の解消が完了しました。
【プレイヤー】
いつの間に……どうやって?
こんなに早く解決したんですか?
サラスヴァティ
分析過程で持って来ていただいた物質の一部を分解し、開いた時空の亀裂に注入しておきました。これで漂流都市の現象は、しばらくは発生しないでしょう。
サラスヴァティ
ですが、これは一時的な対処です。いくら超時空ネットワークだとしても、この世界の全ての時系列に関与することはできません。ただ、【プレイヤー】様が……。
【プレイヤー】
言いたいことはわかりました。
ありがとうございます、サラスヴァティ。
サラスヴァティ
……。
サラスヴァティ
あの都市にいる方に、問題の解決をお伝えください。
おかげで様々なデータを採集することができました。
【プレイヤー】
ありがとうございます、サラスヴァティ。
サラスヴァティ
……。
サラスヴァティ
これから忙しくなりそうですね。【プレイヤー】様も、私も……。
フレイヤ
サラスヴァティ!わたしも褒めて!
褒めてよねえ、サラスヴァティ?サラ…

アニス
あっ、【プレイヤー】さん!
アニス
都市の黒い穴がなくなりました!
一体何をしたんですか!?
【プレイヤー】
……やはりあっちの科学力はすごいな。
アニス
あっちというのは、アスガルドという場所ですか?
【プレイヤー】
ええ、そうですよ。
アニス
やはりそこの人達は何かが違うんですね。
帝国工房からも色々な技術と、科学関連の内容を教えてもらったんですが……。
アニス
プレイオスの人達の思考とはまったく違う次元の考え方をするようすね。
アニス
とにかくありがとうございます。おかげで研究に邁進することができそうです。
そして私はやっと休暇が取れたので、姉さんに会いに行きます!やった☆
【プレイヤー】
(私も、私も休みたい……)
アニス
そしてナーシャにも会って、色々とやりたいことがあるんです。
全部【プレイヤー】さんのおかげです~。
【プレイヤー】
(やはり双子は双子なんだな。行動まで似てる。)
【プレイヤー】
それはよかったです。
アニス
ギルド連合のことですから、デイナ総長にちゃんと報告しますね。
では、また会いましょう。
ミュラー
挨拶が遅れたな。【プレイヤー】…。
帝国を代表して礼を言うぞ。
【プレイヤー】
いえいえ、気にしないでください。
ではアニスも、ミュラーさんも。
また会いましょう。
ミュラー
……もう帰ったのか。
言いたいことがあったのだが……。
ミュラー
アニスさん。
アニス
あ、ミュラーさん。
帝国議会は何と言ってしましたか?
ミュラー
大したことは特に。
相変わらずここでの活動を止めたそうな雰囲気ではありましたが。
アニス
そうですか。
へへ、では私達はいつも通りにやってればいいんですね。
ミュラー
まあ、それはそうなのですが……。
それより、デイナ総長の話が出たということは…彼は資格を得たのですか?
ミュラー
ギルド連合都市に入れる……。
アニス
恐らく総長が決めることじゃないですかね?
私にできるのは話をすることだけですから。
ミュラー
ふむ……。
アニス
そういえば、ミュラーさん!休暇は何をするんですか!?レナ姉さんに会いに行かなくても大丈夫ですか!?
ミュラー
レナはしばらく忙しいようです。
色々な所から必要とされている、大切な人材ですので。
アニス
さすが!レナ姉さんはすごい方ですからね。
では、私は整理してアンブローシア姉さんのところへ向かいます!私がいない間よろしくお願いしますね、ミュラーさん!
ミュラー
はい、お気を付けて。
ミュラー
……。
ミュラー
ふぅ…ハイレン家の令嬢がよくもやってくれるな?
ミュラー
3姉妹と縁が繋がってしまった冒険者に起きることなんて、火を見るよりも明らかだが……。