【プレイヤー】
人が話しかけているのに知らんぷりか?
一体何を考え込んでいるんだ?
ウル
…あとどの位、修練を続ければいいのかを考えていたんだ。
【プレイヤー】
ウル、君に伝えなければいけないことがあるんだ。
ウル
…どうせまた、ユランが余計な心配をしているんだろ?
【プレイヤー】
よくわかってるじゃないか。
もしかして、わざとこんなことをしているのか?
ウル
こんな話、するだけ時間の無駄だ。
結論なんてどうせ出ない。
…それよりお前。
ウル
お前の力はなんだかおかしい。
もしかしたらお前は……。
ウル
(ウルが剣を【プレイヤー】の顔の前まで振り下ろす。)
ウル
ハハッ…すまない、どうやら俺の早とちりだ。
ここは穢れたオーラが多すぎて、勘違いしたらしい。
ウル
フッ……面白い、お前なんかが俺の相手になれるとでも思っているのか?
ウル
(ウルが軽く笑った瞬間、ウルの周囲に威圧的なオーラが一気に広がり……消えた。)
ウル
まあ、遅かれ早かれ相手してやるよ。
その時までせいぜい修練を積んでおくんだな。
ウル
俺が!戦いたいんだよ……正式に決闘を申し込んでやるよ。
ここのおしゃべりカラスもお前が倒したんだろう?
ウル
まあ、いい。
今日のところはここまでだ。早く消えろ。俺はここで修練をする。
ウル
何の心配もないと伝えてくれ。
ただの修練なんだ、何かが起きるわけなんてない。
【プレイヤー】
はあ……もう何を言っても仕方がないな。
大丈夫そうだし、もう帰るよ。
ウル
(ウルは【プレイヤー】の姿が消えても剣を振り続ける。しばらくすると、ウルの動きを止めさせるような、怪しい者達の気配が現れた。)
(赤い髪の男女がとぼとぼとどこかから帰って来たようだ。だが、仕事が上手くいかなかったのか、険しい顔をしている。)
マーラ
兄さん、いつまで歩くの?
魔石を使ったらすぐに…
ヴァン
マーラ、何回も言っただろ?
シャイニックにバレないためには仕方ないんだ。せっかくここまで来たのに、まだそんなことを言うのか?
マーラ
ハイハイ、わかってますって。
それより、なんで悪魔が持って来る魔界の痕跡なんか必要なの?まだ魔石がたくさん残ってるんだよ?これだけあればモス王国位……。
ヴァン
(マーラが魔石袋を取り出して見せると、ヴァンがそれを奪い、床に投げつけてしまう。)
ヴァン
マーラ、お前はこの魔石で何でもできると信じているが、俺達はもう何回も失敗したんだ。考えを変えられないのか?
ヴァン
全部……あの女神と女神の従者のせいだ。俺達の計画に首を突っ込みやがって……次会ったら絶対殺してやる。
マーラ
あの男と契約したら、大陸を一つ譲ってくれるんじゃなかったの?
なのに何なの……。
ヴァン
それはもう終わったことだ、思い出させるなよ……クソッ。
ノックス王子…あの蛇野郎は言うことを全然聞いてないし…ここまで来たら最後まで押し通すしかない。
ヴァン
モス王国が滅亡する前に、足掻いてみるんだ。
マーラ
わかったよ、兄さん。オネイロに行こう……でもあの魔石……。
ヴァン
捨てておけ。
どうせ使い物にならない不良品だ。
(ヴァンとマーラが奈落の間の入口の方に消えると、暗闇からウルがゆっくりと姿を現す。)
ウル
あの気配、あいつらが元凶だったのか….
この魔石……まだ魔力が残っているようだな?