シナリオクエスト

力を求める者(2)

ユラン
来てくれたのですね、【プレイヤー】様……。
【プレイヤー】
ユラン、何かあったんですか?
ギルド連合まで来たそうですね。
ユラン
……。
ユラン
まずは謝罪しなければなりません…。
本当は、弟子の私が解決すべきことなのです。
ユラン
ですが、師匠から言われたもので……私に拒否権はなかったのです。
【プレイヤー】
別にいいですよ。
ところで、ジスカド様は何を?
ユラン
ウルに関する話です。
ウルは師匠の弟子の中で最も若く、最も才能がある子です。
ユラン
日々己を研鑽し、修練を怠らない誠実さも持っています。
【プレイヤー】
そして、プライドも高いですよね。
ユラン
プライドが自惚れに変わるのは一瞬です。
ですが、師匠と私がいくら忠告してもウルは聞く耳を持たないのです。
ユラン
ウルは今、とても危険な状態です。
師匠も私も、ウルの中に「彼」の姿を見てしまったのです。
【プレイヤー】
彼?
それって、誰のことですか?
ユラン
……。
ユラン
お話しましょう。
彼の名前はバーラル……。
ユラン
私は師匠の最初の弟子と言われていますが、実は私よりも先に弟子になった者がいました。それが彼…バーラルです。
ユラン
バーラルは素晴らしい才能の持ち主でしたが、それに自惚れることなく毎日修練に励む、素晴らしい弟子でした…そう、ウルのように。
ユラン
しかし、デイモス教団との戦いの時…バーラルは皆を守りきることができませんでした。
この結果は仕方のなかったこと…決して彼のせいではないのです。
ユラン
ですがこの時から、バーラルは力に執着し始めました。
誰かを守るために手にしていた剣は、他人を傷つけ…力を誇示するためのものに変わってしまいました。
ユラン
師匠は彼に何度も忠告しましたが、力を得ることに夢中な彼の耳に、師匠の言葉は届きませんでした。
ユラン
そんな時です。ジスク領地の入り口で、とうとう事件が起きてしまいました。
師匠に言われて止めに入った戦闘ギルドのメンバーを、彼が……。
【プレイヤー】
……。
ユラン
このようなお話を聞かせてしまい申し訳ありません。
【プレイヤー】様……あなたからウルを説得してほしいのです。
ユラン
これは師匠からのお願いでもあります。
師匠は全面的にあなたを信頼していますので……。
【プレイヤー】
でも、どうやって?
私には、ウルのような才能も実力もありません。
ユラン
イリス様の使いである【プレイヤー】様の話であれば、聞き入れるかもしれません。
ウルと同じように強い力をお持ちですが……あなたはその力を人のために使っている。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
わかりました、やってみましょう。
ところで、ウルはどこにいるんですか?
ユラン
修練のためにアマルーン砂漠に向かったようですが……。
【プレイヤー】
では、さっそく向かって伝えてみます。
ジスカド様とユランが、ウルのことをとても心配している、と。
ユラン
…どうか、よろしくお願いいたします。
ユラン
ウルを……どうか……。
ユラン
(ユランが頭を深く下げている)
【プレイヤー】
ユラン、顔を上げてください。
きっと大丈夫ですよ。
では、行ってきます。
ユラン
……。