シエナ
先輩。確かにあの方は、お姉様が言っていた通りです。
シエナ
お姉様が見て感じたことが世界の全てではありませんが、ある程度はご存じですから。
ソレイユ
デゴスに気付いてわたくしを助けてくださっただけではなく、世界を脅かす存在と戦い続けています。
シエナ
あ…帰って来たようです。もう、全てを話すしかありませんね…。
【プレイヤー】
ソレイユに頼まれて、もう一度坂の方に行ってきました。
もう大丈夫でしょう。
シエナ
ありがとうございます、冒険者さん。
改めて自己紹介させてください。私は魔法学園ジェレニスの2年生。生徒会長を務めているシエナです。
【プレイヤー】
シエナ…シエナ。素敵な名前ですね。
シエナ
それでは…【プレイヤー】さん。
今の学園の状況についてお話します。
シエナ
ジェレニス魔法学園と同じように、独自の魔法教育権限を認められた「賢者の塔」という場所があります。
シエナ
ある地域ではセレスの神殿を「賢者の塔」と呼んでいますが…それは正式に認められた呼び名ではありません。人が多く集まっているので便宜上…ということでしょうか。
シエナ
本物の「賢者の塔」は大陸の内側、北方の島にあります。
【プレイヤー】
なるほど、プレイオス大陸のことはあまり詳しくなくて…。
あ、話を続けてください。
シエナ
はい。では次に、魔法学園と賢者の塔の違いについてお話します。
シエナ
魔法学園が魔法全般について学ぶ場所だとすると、賢者の塔は魔法そのものを研究しています。
シエナ
二つの機関は互いに競争し協力し合うことで、プレイオスの魔法レベルを引き上げて来ました。
シエナ
関係性もとても良かったので、私達の学園祭や、賢者の塔の大規模魔法セミナー期間中にはそれぞれの本拠地にちょっとした「いたずら」をしあっていました。
【プレイヤー】
いたずらって、どんないたずらですか？
ソレイユ
わたくしは、賢者の塔の前庭で、故郷から連れて来たケルベロスを遊ばせましたわ。あの子、特にジェイドが好きなようで…ふふ。
シエナ
伝説の話の主人公って先輩だったんですね。
あの件のせいで、賢者の塔の方々は一週間くらい塔の外に出られなかったと聞きました。
シエナ
賢者の塔もジェレニスの学園祭の時には、魔法道具達が勝手に動きだすようないたずらを仕込んでいました。
シエナ
ですが、今回はいたずらではなく呪いに近いんです…誰かが学園宛てに贈ったプレゼントを開けたら、その中から奇妙なオーラが現れ、学園中に広がりました。
シエナ
学園にあった魔法道具が勝手に動きだし、一部の生徒達は呪いの影響を受けて学園を破壊し始めました。
シエナ
それで、【プレイヤー】さんには坂にいる変な物たちの対処をお願いしたんです。あれが虚空海に行ってしまったら、大変なことになってしまうかもしれないので。
ソレイユ
シエナがこの地に流れる魔力を利用する方法を見つけてくれたので、一緒に結界を張りました。学園に魔力が籠った宝石が少しあって助かりましたわ。
シエナ
ですが、これはあくまで一時的なもの。長くは持ちません。呪いの力が強力なので、宝石の魔力だけでは限界があります。
シエナ
それに、この呪いは魔力が強いほど影響を受けやすいようです。他の人達は退避させましたが、理事長のゼフィロス先生と、クロリス学園長が……。
シエナ
私と先輩は運よく呪いの耐性を持っていたようなのですが、できることは魔力で学園に結果を張るくらい…。
シエナ
ちょうどその時冒険者さんが来たんです。女神の従者であり、特別な力を持っている……。
シエナ
【プレイヤー】さんにジェレニス坂に行ってもらったのは、呪いの影響を受けないか確認するためでもありました。もし呪いの影響を受けてしまうようだったら、こんなことは頼めないので。
【プレイヤー】
（そういえば…マルパスに私が持っている力の構成自体が、一般的な人間とは違うと言っていたな。）
【プレイヤー】
そうだったんですね。
それで、私は何をすればいいんですか？
シエナ
今、呪いの力が強力な魔力を持つ理事長と、校長先生に集中しているようなんです。
シエナ
恐らく学生を守るために最善の方法を選んだのだと思うのですが……二人はあるモノと融合して、別の姿に変わってしまいました。
シエナ
不幸中の幸いなのは、魔力を分散させれば理事長と校長先生も、他の学生達も…すべても元に戻るはず、ということです。
【プレイヤー】
魔力を分散させるには、どうすればいいんですか？
ソレイユ
特別な【プレイヤー】様の力を使えば、自然と分散するはずです。
【プレイヤー】
そうですか。簡単ではなさそうですけど…考えている場合じゃありません。
まずはこの状況を何とかするのが先ですから。
シエナ
ありがとうございます……。
まずは、魔法修練館にいるゼフィロス先生をお願いします。