シナリオクエスト

カーリー族の信頼(4)

ノエル
(ノエルが慌てて目を背ける。)
ノエル
……。
ノエル
あ、そうだ。かっこいい冒険者さん!必要なものはありませんか?
【プレイヤー】
ニンジンは見えましたか?
ノエル
はい!それはもうバッチリと!!
ノエル
……。
ノエル
な、何ですか?私、今お店が忙しくて!
ノエル
……ふぅ。
そうです。
私がレイアさんに頼みました。
【プレイヤー】
でも、どうしてニンジンなんですか?他のものでもいいのに。
ノエル
イーストランドでは、昔から秘密の合図にニンジンを使っていたらしいので…。
ノエル
それで、冒険者さんがカーリーに行ってきたんですね?
【プレイヤー】
そうです。
ノエルに、メディア様からの伝言も預かってきましたよ。
ノエル
メディア様が…ですか?
【プレイヤー】
(メディアがノエルのために伝えた言葉を伝える)
ノエル
ふふ、やっぱりメディア様は心配性ですね。
言われなくてもそうしていたのに。
ノエル
冒険者さん、私のお願いを一つ聞いてくれませんか?冒険者さんはカーリーを探してすぐ入れますからできるはずです。
【プレイヤー】
どういうことですか?まるでノエルが村に入れないみたいですけど。
ノエル
村はメディア様の力で守られています。それがカーリー族であっても、一度出たら簡単には戻ることができないんです。私も村を出てから気づきました。
ノエル
また村に戻れないなんて…それに幻影の大地にあって危ないし…それでも冒険者さんのような特別な方には見えますから……。
ノエル
不幸中の幸いなのはですね、デイモス教団でも村をきちんと認識できてないってことです。
【プレイヤー】
どういうことかわかりました。それで、私は何をすればいいですか?
ノエル
カーリーにメリーメルという、幼なじみがいるんです。手先が器用で、色々なものを作っています。
【プレイヤー】
メリーメル、会いましたよ!
何か便利そうなものを作っていました。
ノエル
相変わらずですね…ふふ。メリーメルはタルタロスのシャイニック様に憧れていて、いつかタルタロスのような都市を作りたいそうです。性格まで似たら困りますけど……。
【プレイヤー】
しーっ、シャイニック様に聴こえちゃいます……。
ノエル
シャイニック様はこういうことに興味がないから大丈夫ですよ。とにかくメリーメルが長い時間をかけてある機械を作っているんですけど、まだ完成させられないみたいなんです。
ノエル
調べてみたんですけど、村にはない材料、ドワーフ職人のボルトとナットが必要みたいです。それを集めて渡せばいいんですけど……。
ノエル
あとは、ドワーフ職人の万能道具箱というのがあればメリーメルが作れないものはないと思います!あの子は才能がありますから。
【プレイヤー】
だからつまり、私にその材料を集めてメリーメルに渡してほしいってことですね。
ノエル
はい!そういうことです!材料をメリーメルに渡してくれれば…なんと!
これからタルタロスの大商人になるノエル商会のVIPとして扱いますよ。
ノエル
カーリー族は信頼が命ですから。
ノエル
ドワーフという種族が住む都市で手に入るものです。まだそこまで行くには私の勇気が足りません…私の代わりに行ってきてくれませんか?
【プレイヤー】
わかりました。では、行ってきます。
【プレイヤー】
(カーリー族には信頼が命、か。そういえば、この前精霊達もそんなことを言っていたな……。)

メリーメル
また来たんですね。
【プレイヤー】
余所者が歓迎されないのは知っています。
でも、頼まれたことがあるので。
メリーメル
頼まれたこと?
【プレイヤー】
(メリーメルにドワーフ職人のボルトとナット、万能道具BOXを渡す。)
メリーメル
はっ、これは……!
メリーメル
……。
メリーメル
…これをあなたに頼んだのは…ノエル、ですね。
メリーメル
(メリーメルが泣き出した。)
メリーメル
ノエル、ノエル…うえぇん……。
メリーメル
バイノンなんかはいらないものばっかり持ってくるのに……。
バイノン
(遠くにいたバイノンがメリーメルを見てため息をついている。)
メリーメル
ノエルってば、村を出たきり一度も戻って来なくて…私…ずっと心配していたのに……!
【プレイヤー】
ノエルの話だと、一度村を出てしまったら、カーリー族であっても村には戻れないらしいんです。
メリーメル
あ……。
メリーメル
ノエルは連絡できなかったんですね。私…ノエルが私のことなんか忘れちゃったのかと…帰ってこれないなんて、知らなかった。
メリーメル
(メリーメルの目が悲しそうだ)
メリーメル
……。
メリーメル
でもなんで…?
バイノンは村からちょっと出て…すぐ戻ってきたりしてるのに…。
【プレイヤー】
ノエルが嘘をついているとは思えないけど……なぜバイノンは戻れるんでしょう?
メリーメル
バイノンは他の村人達とは少し違うからかな……アドリカからは出ていないし。
昔から色々変わったところがあって……。
メリーメル
おかげで村の防衛マシーンが作れそうです。メディア様は私が無理していないか心配してくださっているんですけど……。
メリーメル
私は、私ができる範囲で頑張ってものを作ります。この村の皆のために!
【プレイヤー】
(ここの人たちはお互い信頼しあっているんだな。)
メリーメル
冒険者さんはもうノエルの信頼を得ているようですね。ノエルはそういうことを頼む子じゃないから……。
メリーメル
……。
メリーメル
言いたいことがあったんですが、忘れちゃいました。また今度思出したら話しますね。
メリーメル
冒険者さん、ありがとうございます。
私もあなたのことを信頼できそうです。
メリーメル
今度助けが必要でしたら言ってください。私ができる範囲でお手伝いします。
【プレイヤー】
ありがとうございます、メリーメル。
ではお元気で。
メリーメル
はい…お気をつけて。
メリーメル
(メリーメルがドワーフ職人の万能道具箱を見つめながらまた涙を浮かべる。)
メリーメル
ひっく…ごめんね……ノエル。
メリーメル
ノエル……だいすき…。
ずっと大好きだよ……。