シナリオクエスト

記憶の欠片(3)

(オルカ海辺に暖かい陽が差している。)
【プレイヤー】
ここは相変わらず神秘的だな。
【プレイヤー】
では祈ろうか。
【プレイヤー】
(石塔の前で頭を下げて静かに祈りをする。この世界とイリスが平穏に過ごせるよう、心を込めて…)
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
(急に変な気配がする。)
【プレイヤー】
なんだ?気のせいなのかな?
【プレイヤー】
……。
誰かの幻影
(石塔の前に微かに誰かの残影が見える。清楚な姿で花冠をかぶった少女の姿。聖なる気配を感じる。)
誰かの幻影
……。
【プレイヤー】
…なんだ?
幻影か?誰だ?
誰かの幻影
(幻影と思われる少女が微かに笑った。)
【プレイヤー】
誰だ?まさか…女神セレス様?
【プレイヤー】
(頭の中に急にセレスの名前が浮かぶ。)
【プレイヤー】
そうだ、私が女神セレス様を知らないわけないじゃないか。
じゃあ、これは誰だ…?
誰かの幻影
(【プレイヤー】の独り言に少女は悲しげな笑顔を浮かべる。そして何かを話し始める。しかし、声は聞こえて来ない。)
誰かの幻影
……。
【プレイヤー】
(何かを話しているようだが何も聞こえてない。)
待って、もっとゆっくり話してもらえないか?
誰かの幻影
(少女が頷く。そして、【プレイヤー】の頼み通りゆっくりと口を動かす。)
【プレイヤー】
つ・い・に…この・日・が・来た……
私・は・君・を…ずっと…待って・い・た……
【プレイヤー】
待って、この言葉は…?
なんだ、この既視感は??
【プレイヤー】
女神セレス様?本当にあなたは女神セレス様なのですか?女神様の力はイリスに全て転移されたと思っていましたが…
誰かの幻影
(少女は笑顔のまま何とか話を続ける。)
【プレイヤー】
こん・に・ち・は…待って・い・た・よ。
…こ・こ・ま・で・大・変・だっ・た・よ・ね?
【プレイヤー】
私ですか?いえ、そんなことは。
私はここまで来るのに…
【プレイヤー】
(急に【プレイヤー】の頭の中に様々な記憶が浮かび始める。実態が掴み切れない感情が交差する…)
【プレイヤー】
……。
誰かの幻影
(少女が悲しい表情で手を伸ばし【プレイヤー】の頭を撫でようとする。)
【プレイヤー】
わ、私を慰めてくれるんですか?
誰かの幻影
(少女が頷いた。そして口を開き何かを話そうとしている。)
【プレイヤー】
私・の・名・前・は・セ・レ・ス……オ・ル・カ…海・辺・に・最・初・の・星・が・落・ち・た・時・代…世・界・に・命・と・歌・の・種・を・ま・い…
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
女神様……?
【プレイヤー】
お、お待ちください。な、なんですって?
【プレイヤー】
『私・の・せ・い・で・記・憶・を・失・わ・せ・て・し・まっ・てご・め・ん・ね?』…ま、待って…私が記憶を失った理由が女神セレス様のせいってことですか?
セレスの幻影
(自分をセレスだと明かした少女の姿がどんどん微かになり見えなくなる。)
【プレイヤー】
……。消える前に何か言おうとしたようだったけど……。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
頭の中がぐちゃぐちゃだ。
私に何か起きたんだ…?
私はどうして記憶を……。
【プレイヤー】
イリス、聞いてるなら答えてくれないか?
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
やはり答えてくれないのか。仕方ない。イリスとは後で話すことにして…アドキーナ様の頼みを先に……。
【プレイヤー】
まず前に会ったことのある神官に会いに行ってみようか。今私が覚えているゼナディアの神官は彼だけだから。
【プレイヤー】
……。