【プレイヤー】
暗い…ここはどこだ?
何も見えない……。
ガイア
ここに私たちを呼ぶだなんて…やはりあなたが……。
【プレイヤー】
ここに誰かいるんですか、ガイア様…?
???
久しぶりじゃないか。君の名前は確か…ガイアだったな。
???
(どこかから聞こえて来る老人の静かな声。単語ひとつひとつに物凄い圧を感じる。)
【プレイヤー】
(足に力が入らず立つことさえできない。ガイアは瞬きひとつせず、じっと誰かを見ているようだ。)
老人
やはりガイアは俺を歓迎しないのだな。だが、大丈夫だ……。
老人
混沌と闇の力に襲われ、神さえも見捨てたこの世界……。
老人
滅亡も遠くなかったはずだが、未だに耐えているのだな。そんな世界のため…昔、俺はプレゼントを贈ったんだ。
老人
自滅してしまった鳥を覚えているか?
闇に支配されるしかないあの奴隷を。
老人
一人の人間のために炎を消した…あの話は新たな神に従うあの人間も知っているだろう。
老人
君は眠っていて知らないようだな…そういうことがあったんだ。ではこの話はここまでにしよう。
老人
聞きたいことがある。
ガイア、君はどうなんだ?
老人
君の力を使い果たす程、人間達とこの世界に価値はあるのか?
老人
見るがいい。
君が眠った後、世界が君の希望通りになっているのかを……。
老人
魔王という存在さえどうにもできない惰弱な神が何もしないまま、助けを待っている姿は愉快じゃないか。
老人
どうせ君は答えないことを知っている。そもそも期待もしていないのさ。
老人
手を下すのが魔王でなくとも、いつかこの世界は消滅するだろう。それを望んでいる者達がいるから。俺もその一人だということを忘れないでおくれ。
老人
既に君自身と…君が愛する命、そして君が愛するこの世界を消滅させるためのものを送っておいた。
老人
そう言われてもやめることはできない。最初から君と俺の役割はそう決まっているだろう?
老人
ここには君だけ呼ぶつもりだったが、なんとなくあの人間も一緒に呼び込んでしまったよ。セレスに代わり神となった少女と同化した人間……。
老人
本当はここには君だけ呼ぶつもりだったんだが…なんとなくあの人間も一緒に呼び込んでしまった。
ガイア
彼に触れないでください!髪の毛一本でも触れたら許しません!どうせあなたは脅かすことしかできないじゃないですか!
老人
面白いじゃないか、ガイア。何の力もなく眠っている君に何ができるんだ!?
老人
いつかセレスに会ったら挨拶を伝えてくれ。お前の気に入っていた世界は痕跡もなく消えたとな。はははははは……!
【プレイヤー】
この世界が消えるなんて…どういう……?
【プレイヤー】
(頭と肩を押し潰している圧倒的な力のせいで、何とかつないでいた意識が途切れそうだ。)
ガイア
ごめんなさい、イリス。
ごめんなさい、【プレイヤー】……。
ガイア
(ガイアの声が徐々に小さくなり、それ以上聞こえなくなる。)