シナリオクエスト

解決法を探して(2)

ラピデム
状況はどうだったかな?
【プレイヤー】
墓地に埋葬されていた死者達が蘇り人を襲っていました。
ラピデム
ああ、少し前であれば目覚めたとしても墓地の外に出ることは無かったろうに。死せる王と騎士、そして魔法使いのため捧げたドルイド達の祈りが結界となっていたから。
【プレイヤー】
死せる王と騎士…ですか?
ラピデム
死せる王…レトゥムは、「聖君」との呼び声高い数百年前のべルキア王国の国王だった。
ラピデム
当時のベルキア王国は、旧帝国とシルバリア王国、その他の勢力からすれば、とても小さな弱小国だった。
ラピデム
レトゥムが王国の存続のために選んだのは、ミルガンディア地方への進軍だった。
ラピデム
古代神の力によって魔力と資源に恵まれたミルガンディアを手に入れられていたら、べルキア王国にも繁栄の道は残されていたかもしれない。しかし…
【プレイヤー】
…どうなったのですか?
ラピデム
ミルガンディア地方は長い間ドルイド達が住んでいたが、彼らは他の王国や騎士達を歓迎してはいなかった。自然をありのままの姿で守る事が彼らの使命だったからだ。
ラピデム
べルキア王国軍とドルイド達は、それは長いこと戦ったよ。先に戦いを諦めたのはべルキア王国軍だった。
【プレイヤー】
どうしてですか?
ラピデム
レトゥムが戦いは間違いだったと、考えを改めたんだ。しかし…帰還する彼らは全員ネファンダスという奴に殺されてしまった。ネファンダス…君も知っているかね?
ラピデム
死してなお、彼らを苦しめるかのようにアンデッドにするとは。ネファンダスという奴は本当に悪質だよ。…ドルイド達は彼らの冥福を祈ってくれたがね。
ラピデム
しかし、ドルイドの結界もアルボルムの叫び声によって破られた今、死から蘇った彼らは目の前にいる者全てを殺そうとするはずだ。
【プレイヤー】
私は以前、復活したネファンダスを倒しましたよ!
ラピデム
おや?…あれは君がやったのか。汚れたオーラが現れ、そして消えるのを感じたよ。
【プレイヤー】
今回の件もきっと簡単には終わらないでしょうね。
ラピデム
いくら君が女神様の使いだとしても、死者を相手にするのは手を焼くだろうな。
ラピデム
今までは順調な冒険だったとしても、今回はそうもいかないだろう…わしも力を貸そう!
ラピデム
…人間よ、今から受け渡すこの力はな、死者に安息を取れるように助ける力だ。わしが長いこと扱ってきた力…ここに彼らが居たならわしが助けてやれるんだが…
ラピデム
おっと、また話が長くなってしまったな。さあ、目を瞑って…途中で開けるんじゃないぞ。
【プレイヤー】
はい、わかりました。
【プレイヤー】
(目を瞑ると、怪物の木の山の精気が全身に行きわたるのを感じる。まるでこの手に自然の力を抱いているかのように体が軽くなっていく。)
【プレイヤー】
この力は…?
ラピデム
一時的ではあるが、この力で、彼らを土に返すことが出来るだろう。さあ、急ぐんだ。
【プレイヤー】
は、はい!では行ってきます!
ラピデム
人間よ。ご苦労様…
ラピデム
(急にラピデムの前に、少女の姿が現れる。)
ラピデム
…おや?まさか…イリス様ですかな?
イリス
ラピデム様、初めまして。そして今回は、力を貸していただきありがとうございます。
ラピデム
ふぉっふぉっ…わしはやるべきことをしたまでです。あぁ、イリス様の使いに伝えていないことが一つありました…「罪人」に関して…
ラピデム
それに関しては、どうにもわしが言うべき事ではないと思いまして。
イリス
はい…ありがとうございます。まだあの方はまだ知るべきではないと思います。…まだ私も把握しきれていませんから。
ラピデム
女神様…では、岩は岩らしく、硬く口を閉じるといたしましょう。
イリス
ありがとうございます。また機会があれば…
イリス
(話を続けていたイリスの姿がそのまま固まる。)
イリス
…。
ラピデム
…。
ラピデム
(固まったままのイリスの姿がラピデムの前から消える。)
ラピデム
…女神様もまだ不慣れでいらっしゃる。ともかく女神様のお言葉、わしも静かに口を閉じるとしようか。少し後ろめたくはあるが…