シナリオクエスト

とりあえずの終わり

シャイニック
来たな…マルバス程度の悪魔とは言え、簡単ではなかったじゃろう?
【プレイヤー】
そりゃあ簡単ではなかったですよ。
シャイニック
…それで?知りたいことはわかったのか?
【プレイヤー】
いいえ。その悪魔も魔石がデイモス教団のもので、アガシュラの術式によって造られたということしか知らないようでした。その他には何も。
シャイニック
…それは本当か?
【プレイヤー】
本当です。
【プレイヤー】
…。
シャイニック
…その言葉に偽りはないんじゃな?
【プレイヤー】
はい、本当にないです。
シャイニック
…。
シャイニック
あははははは。お主は本当に面白い奴じゃな。見た目だけではなかったか。のう?女神の守護者よ。
【プレイヤー】
…何が面白いんですか?
シャイニック
まあ、良いではないか。ワシが褒美としてお主が求めているものをやればいいのじゃろ?
【プレイヤー】
話が早いですね。
シャイニック
うむ…では近う寄れ。ふむ…なかなか可愛らしい顔をしておるではないか。お主の頭を触るが、良いかの?
【プレイヤー】
嫌だって言ってもやるんでしょう?
シャイニック
正解じゃ!お主、ワシのことがわかってきたじゃないか。
シャイニック
(シャイニックが【プレイヤー】の頭に手を置く。シャイニックの手先から黒く、そして赤い光がひとつになり円を描く。)
シャイニック
(光は【プレイヤー】の頭を包み…そのまま消えた。)
【プレイヤー】
え?もう終わりですか?
シャイニック
あっけないもんじゃろ?力を与える過程はちょっとばかし複雑かもしれんが、終わってみれば意外と簡単なもんなのさ。あの時もそうだった…ああ、これは聞かなかったことにしてくれ。
【プレイヤー】
(あの時って…きっと…)
シャイニック
この程度でもその新人女神にとっては役に立つはずじゃ。
【プレイヤー】
大きく何かが変わった感じはしませんね。
シャイニック
この先のことはワシにもよくわからん。その力が今後どうなるのかは、お前さん次第さ。
【プレイヤー】
…では私は帰ります。
シャイニック
おや…ワシを利用するだけして、もう帰るのかい?
【プレイヤー】
…シャイニック様…今のセリフは誤解されますよ?
シャイニック
ん?ワシはただお主を利用して面白いことがしたいだけなんじゃがな。
【プレイヤー】
面白いことですか?危ないことじゃなくて?
シャイニック
それはやってみなけりゃわからんさ。だからもう少しだけここにいるといいさ。…会わせたい奴がいるんだ。
シャイニック
ああ…そうそう。自分の尻尾を噛む蛇に殺されんように気を付けるんじゃぞ。その蛇はな…お主みたいな奴を飲み込むのが大好きなのさ。
シャイニック
さあ、メルビックのところに行ってみるといい…ワシが呼ぶまではもう来るんじゃないぞ。いつワシの気が変わるかわからんからな…ふふ。
【プレイヤー】
はい、ではまた。
【プレイヤー】
はあ…とりあえずメルビックさんのところに行ってみよう。ところで…尻尾を噛む蛇って何のことだろう?
【プレイヤー】
(シャイニックが【プレイヤー】の後ろ姿を消えるまでじっと見ている。)
シャイニック
…。
シャイニック
(シャイニックがいる裏の暗い路地から怪しい男の黒い影が現れる。)
シャイニック
(シャイニックが少し微笑みながら路地の中に歩いて行く。)
シャイニック
物凄い獣の臭いじゃないか。
???
…協力に感謝する。
シャイニック
かまわんさ。まぁ、全部お主の掌の上であやつが動いてくれただけじゃがな。
???
約束通りこの件が「全て」終わったら、お前の願いを叶えよう。だが…時間があまりない、少し待っていろ。
シャイニック
あらあら、処理すべきの仕事がたくさんあるじゃな。果たして本当にお主にできるのか心配になって来たわ。「神」ですらできなかったことを…死にかけのお主にできるのか…
シャイニック
でも羨ましいのう…死ねるというのも…
シャイニック
…。
???
お前らしいセリフだな。
シャイニック
ふん…まあ、しばらくはワシの都市には現れないでもらいたいもんだね。あ主が現れたってことは、事が上手く行かなかったという証拠だからのう。
シャイニック
アガシュラ一族の首長…カズノ・ナスよ。
シャイニック
(シャイニックがデスサイズを持って暗闇の中を狙う。)
シャイニック
(少しずつ闇が消え、そしてひとりの青年が現れる。)
カズノ
強欲は身を亡ぼすぞ?冥王よ。
シャイニック
ふん…もしその時が訪れたらワシの手でお主を殺してやるさ。まぁ、暇つぶしくらいにはなるじゃろう。
カズノ
(カズノが指でシャイニックのデスサイズを動かす。)
カズノ
俺がお前程度に殺されることなどない。俺はこの世界のために…そして昔の友のためにやるべきことがたくさん残っているんでな。
カズノ
さあ、冥王よ…話はこれで終わりだ。

メルビック
シャイニック様との話は全て終わったようですね。
【プレイヤー】
まだ帰らずに待ってろと言われました。
メルビック
ふふ…わかりました。それにしても冒険者様はすごいですね。
【プレイヤー】
どういうことですか?
メルビック
シャイニック様のお心を変えることは簡単ではなかったはずです…
メルビック
そして…秘密にしていただきありがとうございます。
【プレイヤー】
…ご存じでしたか。
メルビック
いえ…これは私の予測です。
【プレイヤー】
(この人は…何なんだ…?)
【プレイヤー】
マルバスを消滅させるだけで十分でしたから。あ、ところでシャイニックさんが言っていた方はどなたですか?
メルビック
そこまでは私も存じておりません。私はただの執事ですから…ふふ。
【プレイヤー】
(どこからどう見ても普通ではない。)
メルビック
ではシャイニック様のお呼びがあるまでは、私が用意した宿でゆっくりお休みください。必要なことや不便なことがありましたらいつでもお声掛けください。
メルビック
シャイニック様が認める方ですから、VIPとして扱わせていただきます。
メルビック
あ、【プレイヤー】様。私からもお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?
メルビック
今度私の方で詳しくお教えします。
【プレイヤー】
はい、わかりました。ありがとうございます。少し休みますね。
【プレイヤー】
(はあ…何が起きるか予想もつかない。それよりイリスは元気にやってるかな。)
イリス
私は元気ですよ。ですから心配しないでください。
【プレイヤー】
(急に【プレイヤー】の頭の中にイリスの姿が現れる。)
【プレイヤー】
イリス?だってイリスはルーメンにいるんだよね?
イリス
はい、私です。修練の森でずっと修練をしていました。
【プレイヤー】
どうやって私の前に現れたの?
イリス
どう説明すればいいのか…【プレイヤー】にだけ見えるホログラムみたいなものだと考えてください。
イリス
初めて試してみましたがどうですか?
【プレイヤー】
便利な機能だね!
イリス
…。
イリス
まるで魔力通信機のように言いますね。
【プレイヤー】
あはははは。気のせいだよ…
イリス
わかりました…私も急に登場しましたからね。ただ話をしたいと思っただけなのに、突然繋がって少しびっくりしました。
イリス
おそらくシャイニック様の力の影響だと思います。
【プレイヤー】
やっぱり超人の力はすごいんだね。
イリス
ですが、まだ安定化されていないので長く繋げるのは難しそ…
イリス
…。
イリス
(イリスの姿が固まって動かない。そのまま視界から消えて行く。)
【プレイヤー】
…。
【プレイヤー】
…。
【プレイヤー】
何か突然切れちゃったけど、これはすごいな。超人ひとりの力を受け入れただけで、こんなこともできるなんて…。
【プレイヤー】
聞こえていてるかわからないけど…イリス、頑張れ。私も頑張るから。