ゲルス
くっ、俺が……この俺がここで敗れるとは…!
ゲルス
ルクスに受けた怪我が完全に回復していたら貴様など…!
ゲルス
ああ、ルクス。お前もルクスを知っているようだな。ああ、彼は魔界の君主だ。俺もかつて彼の軍団長として活躍した時期があったからな。
ゲルス
ここで力を蓄えてから魔界に戻って復讐しようとしていたが…それももはや無駄なことか。
ゲルス
ミネルバ、ルビア。あの使えない奴らに頼ってまで…
ゲルス
(ゲルスが前で自分を見つめている【プレイヤー】に嘲笑を見せる。)
ゲルス
一介の人間ごときに敗北してすべて意味がなくなってしまったとは…ルクスに敗北したのならここまで悔しくなかっただろうに…
【プレイヤー】
聞きたいことがあるんだ。リシオネをすぐに殺さずにあの凍りつく呪いをかけておいたのはどうしてだ?
ゲルス
何を求めているんだ?普通の答えが聞きたいのか?それなら答えよう。
ゲルス
山を覆っていた結界の一部を解除すれば冒険者という人間のやつらは自分を証明するために進入してくる。
ゲルス
凍りついていく可憐な女性の事情を聞いた彼らは私に挑んでくるだろう。だが、彼らは俺がいる場所までは到達できない。
ゲルス
あの女性は一時大丈夫になるという希望を抱いただろう。ひょっとしたら、という…希望が再び絶望に変わるその瞬間、その表情。美しいじゃないか。
ゲルス
クハハハ、冒険者が死ねばすべてを諦めていたかのようなあの女は再び泣いて、悲しむ。その悲しみ、その苦しさ…悪魔にとっては最高の力になる。
【プレイヤー】
おまえがかけたあの呪いを解く方法は?
ゲルス
俺の呪いを解く方法はない。ただかけて終わり。
ゲルス
あのエルフ女を助けたい感情、それを利用したかったのだが、もう終わりだ。
ゲルス
ならばおまえはやはり、あの女が凍って死ぬ姿を見て絶望に陥るがいい。
ゲルス
人間ごときに殺される俺から……最後の贈り物だ。
ゲルス
(ゲルスの笑い声が遠ざかっていく。そして彼を支えていた体が粉々になる。)